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注染(ちゅうせん)技法について

図案を考える


 
注染技法を考慮した図案を起こしていきます。印刷と違って型紙を使って模様を布に再現するので、細かい規定があります。線の幅は2ミリ以上なくてはなりません。基本的に色と色を隣合わせることは出来ません(2版を使う細川染めを除く)。色と色を差し分けたい時は1センチ以上の幅がなくてはなりません。

写真は型紙を彫るためのガイドラインを引いています。ガイドラインを引いておくと彫り間違いを防ぐことが出来ます。

型紙彫り作業を動画で見る

型紙を彫る


 
型紙を彫る時は、実物大に印刷した紙を上に置き、その紙に型紙をちょっとだけ貼り付けてくっつけます。べたっと張ってしまうと後で剥がれなくなってしまうのです。そのため彫っている時は図案がずれないように細心の注意を払います。少しずつ彫り上げていきます。

この図案はゆっくりと毎日1〜2時間彫って、1週間ほどで彫り上がりました。彫り上げた型紙は新聞紙で裏張りをして、紗張りをしたら染色に使えるようになります。

裏張り作業を動画で見る

型紙を木枠に釘で貼り付ける


 
ここからは工房に行っての作業になります。

木枠に釘を中央から打ち付けていきます。水に濡らした型紙は伸びるので、中央から端へと伸ばしながら打ち付けて行かないとテンションが弱くなってしまうのです。テンションが弱いとのり付けをする時にきれいに付けることが出来ません。型紙を水に濡らすのは破けるのを防止するためです。

型紙は和紙に柿渋を塗り付けて何週間も室に入れて蒸していますので、簡単には破けませんが、乾燥状態からテンションを掛けると破けてしまいます。

生地に防染のりを付ける


 
生地は晒を使います。綿100%ですでに精錬してあるものです。

一枚のり付けをしたら生地を折り返し、またのり付けをしていきます。のり付けはとても力がいる作業で、男性が担当しているところが多いです。

のりを付けるとこんな感じ


 
防染のりを付けたところは染まらず、ついていないところに染料が入っていきます。色が入っていくところが図案と反転するので、染め上りを考慮して図案を起こしてます。

染場でぼかしのための土手を置いていく


 
絞り袋に防染のりを入れます。ぼかしを差し分けたいところに土手を作ってきます。この図案は全体にぼかしが入っているので、こんな状態の土手になりました。

やかんに入れた染料を少しずつ注いでいく


 
土手を置いたらいよいよ染色作業です。染料は約90度くらいの温度のものを使います。温度が低いと染付きが悪くなります。先の細いじょうろ(やかん)を使います。端から2色同時に注いでいき、色がお互いに干渉しすぎないようにします。

これだけ土手があると間違えやすく、細かい神経を使います。

表から染めたら裏も染める


 
一度すべて注ぎ終わったら、台の下にあるバキュームで染料を吸い込みます。
足元にペダルがあり、それをぐいっと足で踏み込むと、
「バフッ」という音とともに染料が吸い込まれます。

それからまたもう一度同じ作業を繰り返します。

表側が終わったら、今度は裏返して土手を作ります。
そして表と同じように2度染料を注ぎます。

このようにしっかりと生地を染め抜きますので、
この技法で染めたてぬぐいは裏も同じように染まるのです。
手間暇は掛かりますが、使いやすいてぬぐいになります。

最後に酢酸で色を止める


 
酢酸を使って色を止めます。酸化させることで生地に色をより定着させるのです。

ゆっくりとすて生地を剥がしていく


 
この重なった生地は約1反分(てぬぐい約10枚ほど)なのですが、上と下に捨て生地で挟んでいます。この捨て生地は、のり付けした後に本生地の防染のりが周りに付くのを防ぐために必要なものです。

最後によーく水洗いをして、のりを落として、干して伸ばしたら完成です。

完成品はこちら


 
この柄はすべて私ひとりで染め上げました。こちらよりご購入出来ます。
つばめは見たか柄(黄と灰色)

このように注染技法はデザインから完成まで大変な手間暇が掛かります。
そのため、この技法は昔から分業制となっています。
絵師(デザイナー)、型紙職人、裏張り職人、紗張り職人、のり付け職人、染付職人、洗い場、干し場、たたみ、など。

私のデザインもほとんどは職人さんにお願いをしています。
日本の伝統技法のひとつをどうぞお楽しみください。

この柄は東京都葛飾区立石にある、てぬクリ工房さんを借りて制作しています。

協力:てぬクリ工房(東京和晒株式会社)
https://souzou-kan.info/koubou/